某H氏に言わせると私は飼育音痴なのだそうで、その飼育音痴の私が飼育記事、しかも外産種の飼育に関して とやかく言うのはお門違いなのでしょうが、特集を呼びかけた手前1本ぐらいは書かないとカッコがつかない と言う理由で書いています。どうぞご了承下さい。(^^; さて、メタリフェルホソアカクワガタはおもにセレベス島産とペレン島産に分けられます。 前者はいわゆる茶褐色であまりツヤがありませんが、後者は金属光沢のようなツヤと色彩変異に富むことで有名です。 ただし飼育方法に有意な差はないと思われます。 本種はおもにマット産みです。「堀江マット」があれば十分そのまま多産します。 堀江マットは微粒子、やや発酵、適度な湿度を兼ね備え、25リットルで1500円という 非常にコストパフォーマンスに優れた製品です。 堀江マット以外でも、上記と同様なスペックを持つマットならほぼ同様に採卵できるものと思われます。 私のセット方法はコンテナです。湿度は気持ち高めにして深さ10センチほどしか マットを敷きませんでしたが、それでも普通に採卵できました。 本種は羽化すると1ヶ月ほどで交尾産卵行動に入ります。 セット後1ヶ月ほどでマットを掘ると初令幼虫や卵が確認できるでしょう。 メタリフェルの幼虫は頭部に比してアゴがやや太い印象です。形状にも特徴があり、一度確認すれば他の種、 たとえばドルクス系とは容易に区別できます。 コンテナ内で確認し、取り出した幼虫はビンで個別飼育に切り替えましたが、 いくつかの幼虫はそのままコンテナ内で羽化まで過ごしました。 ここでひとつ気づいたことですが、同じフスマ添加堀江マットを使用したにもかかわらず、600の円筒ビンに移した個体群は ♂で軒並み4〜50ミリの小型個体で羽化したのに対し、コンテナ内にそのまま残した個体は2頭とも70ミリをオーバーしました。 大型個体を羽化させるにはある程度の広さが要求されると言えるでしょう。 また、ビン越しやコンテナ越しに見える蛹室は、個体のその長大な大アゴに比して狭く感じられます。 が、どう見ても蛹室の直径よりアゴの長さの方が長いのに、蛹室内で上手く折り返し無事羽化します。 私の2〜30頭の羽化歴の中で羽化不全は♂の上翅が完全に閉じないという1例だけでした。 無事羽化率も高いと言えるでしょう。 幼虫期間は♀だと約3ヶ月ほど、♂の大型個体でも半年ほどで羽化までこぎつけます。 温室を使用すれば1年に2世代が完全に累代できるでしょう。 また、本種の菌糸ビン飼育は、検していないのでなんとも言えません。 以上、メタリフェルホソアカクワガタに関する簡単な飼育例でした。 本稿はくわ馬鹿2000年冬号に投稿したものを加筆修正したものです。 |