広葉樹の樹液に集まる個体を採集する樹液採集、発生木を叩き割って幼虫や新成虫を獲る朽木割り採集に対しおもに夏場に明かりに飛んでくる個体をつかまえるのが灯火採集です。 同じ灯火採集でも町の街灯を見回ったり、自分で灯火を設営したりする方法があります。灯火採集では日本のクワガタムシのうち、ほとんどの種が採集可能です。 以下では自分で灯火を設営するオオクワガタの灯火採集に絞ってお話ししてみましょう。 灯火採集はくわがたが生息する地域ならほとんどの場所で採集可能です。 なかでも四方の山の尾根が見渡せ、近くに光を遮る木や建物がなく、町の明かりがほとんどないような場所ならば好立地と言えるでしょう。 オオクワガタの灯火採集は福島県の檜枝岐村などが有名です。山梨県などの多産地でも、まわりに町の明かりが多いところではあまり効果が期待できません。 灯火を設営するには最低限 発電器、水銀灯や蛍光灯など、シーツやそれを張るための骨組みが必要です。 発電器は最低でも出力500W以上、できれば800W程度の出力があるものが望ましいです。 蛍光灯はふつうその台座に安定器が組み込まれていて用意しやすい器具ですが、出力はやや足りません。 水銀灯は出力が数百Wのものまでありますが、別に安定器を接続する必要があります。安定器のいらないタイプ(バラストレス水銀灯)もありますが採集には不向きなようです。出力は最低でも100wクラス。できれば300〜500wクラスを用意するのが望ましいでしょう。 灯火採集ではやはり高出力の水銀灯が圧倒的に有利です。誘蛾灯やブラックライトは一旦近づいてきた虫を引きつけるのには有効かもしれませんが、遠くの虫をおびき寄せる能力には疑問が残ります。 シーツは一般の白い寝具用シーツ、骨組みは自作のものからテントの骨組みを代用したり、専用の骨組みを使うものまで様々です。 いずれの場合も多少の風が吹いても倒れないように工夫します。 前述の通り四方の尾根が見通せる、ある程度ひらけた場所に設営します。 コ、ミヤマ、ノコギリなどは飛んできたあともしばらくじっとしている個体が多いですが、オオクワは飛んできたあとすぐに暗いところに移動しようとします。 したがって、つねに灯火のまわりを見回ることが肝心です。 また、灯火の設営には設営場所の地主または管理者の許可を得るようにしましょう。 たとえば福島県の檜枝岐村では、その年の気候にもよりますが、オオクワガタは6月のはじめごろから10月のはじめごろまで採集可能です。 とくに7〜8月の月の出ていない気温20度以上の晩なら確実に飛んできます。(ただし飛んでくるということとあなたがそれを捕まえるということは別問題です) 檜枝岐村ではほかにアカアシ、ミヤマ、コ、ノコギリ、オニ、ヒメオオなどが飛んできます。(飛来数の多い順) 以上簡単な説明ですが、ほかにご質問などがありましたら当HP各掲示板をご利用下さい。 |