檜枝岐村で採集できるクワガタムシは、現在確認されている種でおよそ12種。 これらの種についてその採集方法を簡単にご紹介します。 ご紹介の第1弾はオオクワガタ。 その採集方法はおもに3通りです。採集方法別にご説明しましょう。 ◇灯火採集◇ 檜枝岐ではもっとも一般的な方法でしょう。 檜枝岐村から伊南村、舘岩村、南郷村へ至る国道352号・401号線沿いのほとんどの街灯・自販機等で採集可能です。 ただし、よく飛んでくる街灯もあれば、そうでない街灯もあります。 その区別は何度か出かければ自然と分かってくることと思います。 また、街灯廻りではなく、自分で発電機・水銀灯などを用意し設営する灯火採集という方法もあります。 街灯廻りと違って個体の所有権を主張しやすいという利点がありますが、設備投資などの経済的問題や、 設営地点の確保など面倒な問題もあります。 どちらを選ぶかはみなさんの自由ですが、一般的には最初は街灯廻りから始めて、 そのうち自前の灯火セットにステップアップされる方が多いようです。 具体的な設置方法などは檜枝岐採集案内(夜間・灯火・オオクワ編)をご覧下さい。 ただし、最近ではマナーの悪い採集者が増えたために、残念ながら灯火採集禁止場所が増える傾向にあります。 以下のような点にはお気をつけ下さい。 採集禁止地域 檜枝岐村から尾瀬方面にかけては日光国立公園の特別保護地区が設定されています。 保護地区内ではもちろん採集禁止です。 ただし、オオクワガタに関しては保護地区にはほとんど分布していないようです。 私有地 現地の民家など、私有地に無断で入り込むのはやめましょう。 私有地の庭先に侵入したり、民家の窓などを強力なライトで照らすことなどは絶対に避けましょう。 自動車 街灯ごとに急発進・急停車を繰り返す乱暴運転もいけません。 街灯を見廻るために停車するときは、少なくともエンジンを停止しましょう。 許可 自前の灯火を設営するときは、土地所有者や管理者の許可を得ましょう。 また、採集後の掃除後片づけなどは常識です。 これらが守られないために採集禁止になった灯火場所が増えています。 いずれにしても、現地住民の方々や他の通行者、あるいは採集者同士でも他人に迷惑をかけないようにすることが肝要です。 採集マナーが向上しないと、やがて採集禁止条例などができて自らの首を絞める結果にもつながりかねません。 ◇樹液採集◇ 檜枝岐村のようなブナ帯には、樹液を豊富に産するクヌギなどはほとんどありません。 ミズナラやヤナギなどわずかに樹液を出している木々もありますが、 現地の膨大な原生林のなかに毎年コンスタントに樹液を供してくれるポイントを見つけるのは困難です。 灯火採集に比べるとやや困難な採集方法と思われます。 また、バナナトラップなどの方法も考えられますが、現地に生息するサル、シカ、カラス、クマなどに食べられないようにする工夫が必要です。 もちろん、仕掛けたあとの使用済みトラップは必ず回収しましょう。 ◇材割り採集◇ 豪雪地帯の檜枝岐では材採の時期が晩春と早秋に限られます。 また檜枝岐の山の斜面は、全体的に斜度がかなり急であり材採に向いている地域とは言えません。 もし、アタリの木を見つければ、1本の立ち枯れから数十頭の成虫・幼虫が得られることもあります。 しかし、現地で材採を一度でも経験された方ならおわかりと思いますが、灯火採集がいかに効率的で楽であるかが実感されるでしょう。 いずれの採集方法でも、マナーを守って採集を楽しみましょう。 |