檜枝岐 98年07月18日





23時30分、「今から出ます」という連絡を入れようとシーラ邸に電話すると
シーラ氏:「38.8度の熱でダウン。急遽取りやめ」
の事態に。
仕方なく単独出撃となった。

07月18日。

05時 広沢林道着
ヤナギ採集のくわがたは果たして何時からゲットできるのかを下見するため、朝モヤの林道を車内からルッキングする。
05時10分、登り始めて約1km地点にてアカアシ2♀発見。
こんな時間でもじゅうぶん採集できることを確認する。

05時の林道で発見したアカアシ2♀(1♀は落とした)

05時の林道で発見したアカアシ2♀(1♀は落とした)

さらに林道を登るとヤナギにカブト。
えっっ、カブト?(@@
私は初めて見た。
だがこのカブト腹の部分を鳥につつかれて食われたらしくほとんど空洞だったがまだ生きていた。

ヤナギにしがみつくカブトムシ

ヤナギにしがみつくカブトムシ

峠に着いたところでまず左ルートから攻める。
少し進むといたいた、ヒメオオ♂だ。
腰ほどしかないヤナギのヒザあたりの高さに着いていた。

こんなに低いところにもいるヒメオオ

こんなに低いところにもいるヒメオオ

結局左ルートで1ペアゲットし、峠に戻り右ルートを下る。
こっちは標高も低いしアカアシざっくざくだ。
かなりいい加減に網を差しだしたので、結構落ちたはずだが、それでもいやというほどアカアシが採れた。
小さいのは採ってすぐにリリース。
中サイズからのを一応ケースに入れておく。

林道から少しはずれた新ポイントで自己ベストのアカアシ48ミリをゲットした。
このポイントはヤナギ以外の木を捜すのが非常に困難なポイントだ。
きっとあ〜さんはよだれを垂らすことだろう。^^;

交尾中の♂48ミリのアカアシペア

交尾中の♂48ミリのアカアシペア

午前中でほぼ広沢のポイントを廻り尽くした感があるため、12時には林道をあとにした。

午前中のヒメアカ

午前中のヒメアカ

午後、2時間ほど仮眠をとってから、matsudaさんポイントへ向かう。
前々回までは林道の奥までクルマが入れたのだが、前回から営林署が打ち込んだ鉄杭のためクルマが入れず、4〜500m程度の距離なのでポイントへは徒歩で向かった。

途中、熊のフンらしきものが落ちていたので念のため右手に持っていた捕虫網で地面を大きく叩きながら進んだ。
先週のオフで、倒れるように眠り込んだ(らしい)地点を過ぎ、あと30mでポイントという地点まで来た。

ぐぅおーーー

10m前方の草むらが津波のように大きく揺れる!
「クマだ〜ぁ」 心の中で叫んだ私は反転180度猛ダッシュ。
心臓が口から出そうだった。
あのダッシュならカールルイスといい勝負だっただろう。^^;
「火事場の馬鹿力」ならぬ「クマ場の馬鹿ダッシュ」。
当然ココでの画像はない。^^;

脂汗を拭きつつクルマまで戻り、村へ燃料補給と夜食調達に向かう。
人間界に戻るとクマとの遭遇が夢のようだった。
17時すぎにはいつもの灯火ポイントに到着。
設営する。

ニューバージョンの骨組みの灯火装置

ニューバージョンの骨組みの灯火装置

17時で25度あった気温も日の入りとともに急激に下がり始め、灯火開始の19時には手もとの寒暖計の針は18度を差していた。
それでも先週は全く飛んでこなかったミヤマやノコギリがチラホラ飛来し始めた。
あたりはほぼ暗くなり、灯火の白い布だけが暗闇に浮かんでいる。

すると見覚えのある人影が近づいてきた。
なんとmatsuda(=医者)さんだ。
重症患者をほっぽってまでココへ来たらしい。
檜枝岐とはそれくらい魅力のあるところなのだ。
だが、さすがに患者が心配とのことで灯火完了後彼は東京へ戻った。
日帰りというのはよくあることだが、彼の場合は夜帰りだった。^^;

私はダメだったが、同業?の人がゲットしたオオクワ♂65ミリ相当を見せていただいた。
「フフ、来週はオレの番だぜ」と心でほくそ笑むあいあんであった。


ヒメオオ    7♂♂ 5♀♀
ミヤマ     3♂♂ 1♀
ノコギリ    1♂
アカアシ    5♂♂15♀♀
(カブト     1♂)

計          37頭

この採集記は「くわ馬鹿」98年08月号の記事を加筆修正したものです。

檜枝岐 98年07月19日  につづく。


1998.08.10