08月12日。 兵庫県、上郡(かみごおり)。 とある池のほとり。 直径50cmほどのツタがからまる1本のクヌギ。 木のそばに立つと鼻をくすぐる樹液の香り。 何本もクヌギはあるが、この木以外には虫の気配はない。 突き刺す陽差し。 空はあくまで青く、木々は光る緑。 額の汗が止まらない。 真夏だ。 ふと見上げると、地上4mあたりを70オーバーのミヤマ♂2頭に60サイズのヒラタ♂1頭が闊歩している。 その上の樹液場にも何頭かくわがたの姿。 くわの「楽園」? そんなイメージがふとよぎる。 何度蹴っただろう。 蹴るたびにバラバラ落ちてくる。 木の下にビーチパラソルとこうもり傘を開くが、上手くこの中に落ちてくれるのはその半分だけ。 このたった1本の木で、前日とあわせて20頭近くミヤマ・ヒラタが採れた。 最初に見つけた、すぐ目の前のミヤマ73ミリは何故か細枝にしがみつき落ちてこない。 ツタにつかまり、コブに足をかけ、はい上がる。はい上がる。はい上がる。 たった2mしか上っていないのに、そこには地上とは違う別世界が。 細枝のミヤマをワシ掴み。 至福。 降りてから、もう一度蹴る。 蹴る、蹴る、蹴る。 まだまだ採れそうだ。 その時。 怒声。 「いーつまで蹴ってんのよっ!(-_-メ」 200m下の林道入口に置いてきたクルマで留守番しているはずの助手席の声。 約束の採集時間5分を15分もオーバーしたのでしびれを切らしたらしい。 「あ、あれっ? もう20分も経った?^^;」 (まだ採れるのになぁ) と言いたいのに言えず、あわてて傘をたたみ、汗を拭き拭き、後ろ髪を引かれつつも助手席のあとをクルマへと駆け戻るあいあんだった。^^; ヒラタ♂(左)とミヤマ♂が共存するクヌギ ヒラタ 3♂♂ ミヤマ 5♂♂ 計 8頭 |