檜枝岐 01年08月09日





08月09日。

07時に目が覚めた我々は灯火を片付けたあと、再び広沢林道へ入った。
T氏はミヤマの木で、どうしてもミヤマを追加したいらしい。^^;

この日もまたバラバラ落ちてきたが、いわゆる完品がほとんどない。
発生後期ということもあり、立派な個体にもかかわらずフ節が欠けていたり、触覚が切れていたり、胸部に穴が空いていたり。。。^^;

こんな個体じゃ標本にはできないか。。。。
と、散々悩んだ挙げ句、結局毒ビンに次々ミヤマを放り込むT氏。
この個体はコウ修理しよう、あの個体はアア修理しよう、、、
と、やはり彼のハンドル名はダテではなかった。^^;

ヤナギをルッキングする標本修理工T氏

ヤナギをルッキングする標本修理工T氏

さて、この日も前日に続きヤブコギの鬼と化す我々。^^;
ヤナギを蹴ってバラッ、と音がした付近の草をかき分け執念で掘り出し、見つけ出すT氏。
とても私にはそこまでのマネはできない。^^;

ヤブの中にしゃがみ込み、背中しか見えないT氏に向かって、
「何がTさんにそこまでさせるんですかぁー?^^;」
と尋ねる。
「そこにくわがたがいるからですぅー。」
期待通りの返事が返ってくるT氏はやはりタダモノではないのだった。^^;

アカアシ@ヤナギ

アカアシ@ヤナギ

上の画像は、収穫数の割りにあまり取り上げられないアカアシ。^^;
下の画像は、珍しくカンバに付いているミヤマ。

ミヤマ@カンバ

ミヤマ@カンバ

このミヤマの下にはもう1頭のミヤマ♂とコ1♀、それに時期はずれのルリボシカミキリも付いていた。
この日も頑張って昼間のヤナギ採集ではヒメオオ・アカアシ・ミヤマ・ノコギリ・スジなど146頭ゲット。
2日連続だとチョビットだけ疲れる。^^;

ミヤマ♂

ミヤマ♂

さて、この日は本来なら灯火採集許可願いに伊南村役場やスキー場管理事務所にお伺いするつもりだったのだが、ヤナギ採集を終えたのは17時過ぎ。^^;
結局こうなることはある程度予想していたのだがT氏と組んだ時点で気づくべきであった。^^;

もちろんこの時間からでは、檜枝岐村内や伊南村内での灯火設営は無理だ。
そこで、T氏が極秘に入手した灯火情報を頼りに大移動を行った。

その情報による集落に到着したのは20時過ぎ。。。^^;
辺りはすでに真っ暗であり、どこに広葉樹林が、、、どころか、どこに山があるのか、すら判らない。^^;
それでも適当な場所を見つけ、シーツの上に水銀灯を吊すだけという超簡単な設営を行った。

手抜き灯火設営

手抜き灯火設営

設営後、立て続けにカブト♀やミヤマ♀が飛来。
なかなかいいペースかな?と思ったのもつかの間、30分後ぐらいには全く飛んでこなくなった。

2人で灯火の前に張り付いてももったいないということで、私は付近の外灯流しに出かける。
30分ほど走り回ったが、たいした収穫なしで帰還。

すると、
「あいあんさんが留守のあいだにこんなのが飛んできました。^^」
T氏の手のひらに握られていたのは、背中にスジがある40.5ミリのとても大きな大きなスジクワの♀だった。^^;

オオ♀(1度採集した個体をもう一度掴まらせたヤラセ画像)

オオ♀(1度採集した個体をもう一度掴まらせたヤラセ画像)

「うぉーー、やりましたねー。^^」
ガッチリ握手を交わす2人。
というわけで、「あいあん不在時オオクワ飛来説」は今世紀も健在のようだ。^^;

その後、T氏が
「このオオクワ、即絞め(酢酸エチルという殺虫用剤で殺すこと)したいんですけど。」
オー、ノーーッ!^^;
「せめて、産卵させて幼虫採ってからにして下さいよぉ。。。^^;」

飼育すると標本価値が落ちてしまうことが分かってはいても、とりあえず懇願する私。^^;
「わかりました。じゃあ3頭採れたら絞めますね。」
どうにかT氏に飼育させることに成功したようだ。^^;

檜枝岐や、その周辺で灯火採集する人は数多けれど、採れたばかりのオオクワを即絞めする人はそうそういまい。^^;
思わず延命懇願をしてしまい、まだまだムシ屋としての自覚が足りないなぁ、と思いつつ、足かけ0泊4日の採集行を終え、10日05時に帰宅した私は、その足で早朝野球に向かうのだった。^^;


ヒメオオ   14♂♂ 6♀♀
オオ          1♀
ミヤマ     9♂♂ 8♀♀
ノコギリ    4♂♂ 4♀♀
アカアシ   61♂♂52♀♀
オニ          1♀
スジ      3♂♂ 1♀
コ       1♂  3♀♀
(カブト        1♀)

計           168頭


2001.08.10