あいあんさん,皆さん,こんにちは。 原体験という言葉がありますが,くわハウスをご覧になっている皆さんの虫に対する原体験はどういうものだったでしょうか? 子連れ狸の原体験はやはり近所の神社の裏道から入った森での採集経験であり, それを調べるために祖父にねだって買ってもらった図鑑です。 そんな小学校時代に学校の図書館で出会った本が「ファーブル昆虫記」でした。 時代は移り,今は小学生の子狸姉が同じように「ファーブル昆虫記」を読みながらくわ馬鹿への助走を開始しています。 フランスに赴任することが決定した時から,子狸と一緒に絶対に行きたい場所がファーブル先生の記念館でした。 そこで今回フランスでの初めての夏休みを利用して訪れることにしました。 当然のことながら,彼の地ではきっと虫が沢山いるのだろうと予想して,採集道具も完備して望んだ旅行でしたが, 結果はというと,思い出したくも無いほどの大惨敗でした(^^;。 どれほどの惨敗であったかについては稿を改めてご報告するつもりではありますが, とても読んでいただくに耐えうるものとは思われません・・・・・(T_T)。 と,まぁ暗い話題はこのくらいにして,出発しましょう。 ファーブル記念館は,Saint-Leons(サン・レオン)という小さな村にあります。 宿泊施設も無いその村に行くには近くのMillau(ミヨー)という町に宿泊しなければなりません。 朝7時に家を出発して,ひたすら高速道路を南下します。 当然家族旅行も兼ねている(ん?家族にとっては家族旅行がメインですよね(^^;)ので, 途中の見所に立ち寄ってから再度南下します。 夕方の6時にはミヨーの町に到着しました。近くを散歩して夕食をとり,明日はいよいよサン・レオンに向けて出発します。 翌朝ミヨーからサン・レオンまでは車で1時間弱という行程です。 国道から枝道に入りしばらく細い道を運転するとサン・レオンに到着です。 とても小さな村なので「ファーブル記念館は何処かなぁ?」と探していると何時の間にか村を通り過ぎてしまうほどです (事実狸は一度村から出てしまいました(^^;)。 改めて戻ってみるとほぼ村のど真ん中に小さなお城があり,そこに隣接しているのがファーブル記念館でした。 この看板から入り口までは,道路上に青い蟻のマークがあり,訪問者を案内してくれます。 10時開館なのですが,少し早く着き過ぎたようです。 そうでなくても,開館時間をキチンと守るような人種ではないのですが・・・・(^^;。 しかしながら,例外的に勤勉な職員さんのおかげで,10時5分には入場することができました。 ジャン・アンリ・ファーブルという人はこのサン・レオンで生まれ, 後にAvignon(アヴィニヨン)やOrange(オランジュ)といったプロヴァンス地方に移り住みました。 この辺の詳しい情報は狸の旅行記よりも,数多くの出版物を参照されたほうが良いかと思います。 進化論のダーウィンをして「稀代の観察者」と言わしめたファーブル先生も, この小さな村で初めて虫の世界に触れたんだなぁ,と思うと感慨深いものがあります。 入り口の前にはファーブル先生の像と,金属で作られたカマキリのオブジェがありました。 記念館自体はとてもコンパクトであり,アッと言う間に見終わってしまうかもしれません。 入り口から左に入った突き当たりには,各国で翻訳・出版されているファーブル昆虫記等が置いてあり, 当然日本語のコーナーも大きくスペースが割かれていました。 確かに中には,ファーブル先生とは関係の無いと思われる書物もあるのですが(^^;, それはご愛嬌ということで・・・・。 狸にとって,ファーブル昆虫記といえば「糞ころがし」です。 恐らく第一巻がそうだったことと,昆虫記に登場する甲虫はこの「糞ころがし」と「カミキリ」だけだったからでしょう。 そして,嬉しいことにこの記念館にも「糞ころがし(スカラベ)」のコーナーがありました。 その生態も面白いのですが,よくよく見てみると中々格好良い甲虫ではありませんか! 但し,採集方法等を想像すると,少しだけ引いてしまいますが(^^;。 その他に生きた昆虫の生態を観察できるコーナーが2つあり,一つは「ナナフシ」もう一つは「蟻」でした。 母子狸が見入っているのは「蟻」のコーナーです。 そういえば,入り口のカウンターすぐ横にユーロミヤマクワガタの絵が飾ってあり, 「これは売り物ではないのですか?」 と尋ねたところ,在庫を確認してくれましたが返って来た答えは 「在庫のリストには載っていない。売り物なのかどうか判らない。」 というものでした。 見るからに売り物に見えるんだけれどもなぁ〜,と後ろ髪を引かれながらも引き下がりました。 記念館の向かいには小さな小屋があり,ファーブル先生の生きていた時代の典型的な田舎生活を展示しています。 こうしてファーブル記念館は見終わりました。ところが,これで終わりでは無いのです。 このサン・レオンという村には2000年春に「昆虫テーマパーク ミクロ・ポリス」が作られているのです。 ファーブル記念館とは村の反対側に位置する丘の上に,大きな近代建築が見えます。 これがミクロ・ポリスです。では移動しましょう。 移動には下の写真のミニバスを利用します。 ファーブル記念館の係員の人が,記念館の入場券を見せれば無料で乗せてくれるよ!と教えてくれました。 それにしてもこのバス,一体何を模ったものでしょう・・・・(^^;? 良く見ると,狸が一番苦手なタランチュラに似ているような気がします。 フランス人が良く混同することなのですが,昆虫というカテゴリーに蜘蛛や蠍を入れている例が散見されます。 少なくとも昆虫テーマパークを抱える村なのだから,そういう間違いはしないと思うのですが, そういう日本的常識というものが通用しない国がフランスでもあります。う〜ん,フランス人恐るべし!! ゆっくりと移動してミクロポリスに到着です。ここは外観も中身も近代的なテーマパークであり, 親子で結構楽しむことができました。入り口付近には昆虫の定義と世界の昆虫の標本があります。 また,人間と昆虫との昔からのかかわり方に関する映画もあり,日本流に言えば益虫と害虫の定義のようなものです。 昆虫以外には,定義から外れるにもかかわらず,お約束のタランチュラと蠍,そして食虫植物等のコーナーもあります。 但し,狸のように偏った虫好きは,クワガタ関連がもっとあって欲しいなぁ,とは思いましたが, 一般的にはこのようなものでしょう。もし皆さんがフランスに旅行をして, 時間がある場合には立ち寄られても良い場所であると思います。 そうそう,この近辺は世界三大ブルーチーズである「ロックフォール」の産地でもあります (これは苦手な人の方が多いかも知れませんね(^^;)。 さて,テーマパークの常として,出口付近にはお土産物ブティックがありました。 そこで狸一家が購入したものは・・・・・・ ユーロミヤマクワガタTシャツ ユーロミヤマクワガタ・プラモデル ユーロミヤマクワガタのおもちゃ 子供向けの昆虫採集・飼育図鑑(フランス語) というものでした。この最後の図鑑が意外と侮りがたく,トラップ採集や灯火採集, あるいは保護対象種についても記載があります。 今まで購入したフランス文献で一番内容的に充実しているかもしれません(^^;。 こうして約半日強をサン・レオンで過ごした狸一家は,次なる目的地のプロヴァンスへ向けて車を移動させるのでした。 狸の住む北フランスとは違い,温暖で手つかずの自然が山ほどあるプロヴァンスでは, どんな虫に会えるのだろうと期待に胸が膨らむ狸でした。 そうです,このときはまだ待ち受けている大惨敗など知る由もありませんから・・・・。 いつもながら中身の乏しい報告になってしまいました。 というよりも,狸一家の単なる旅行記となってしまいまして,誠に申し訳ございませんm(_~_)m。 しかしながら,もしより詳細な情報をご希望の方がおられましたら,喜んでお手伝いさせていただきます。 ご連絡ください\(^o^)/。 最後にファーブル記念館等に関する情報を付記しておきます。 ・ファーブル記念館 12 780 Saint-Leons Tel / Fax : 05 65 58 80 54 e-mail :jeanhenri.fabre@wanadoo.fr http://www.musee-jeanhenrifabre.com/ ・ミクロポリス 12 780 Saint-Leons Tel : 05 65 58 50 50 Fax : 05 65 58 50 58 e-mail :micropolis.direction@wanadoo.fr http://www.micropolis-la-cite-des-insectes.tm.fr/ 西方甲虫見聞録〜嗚呼,3000kmの大惨敗!〜 に続く(本当かなぁ?) 子連れ狸 in Paris ご感想はこちらまで |