瑠璃星天牛採集記   by ピーコ





この採集記は、ルリボシカミキリの採集ポイントを教えてくれたあいあんさんに感謝の意を表し、寄稿するものである。 決して原稿を催促されたわけではない。こともない、、、、、


2001年7月21日、このサイト「くわハウス」の採集記にある通り、ルリボシカミキリの実物を見てみたく、 あいあんさんの案内の下、山梨県韮崎市に行った。 それから3年の月日が流れた今年、爆発栄螺さんが転勤により仙台から東京へと移転し、 恐ろしいことに(?)道が空いていれば我が家から車で15分もかからない所に新居を構えられた。 その行動力は相変わらずで、多忙な中、時間を作り出しては採集へと出掛けられている。 そんなある日、なしてルリボシな話題になったのかは忘れてしまったのだが、 7月17〜19日の3連休に、ルリボシも含め山梨方面へと採集に行かれるということで、あいあんさんから教えて頂いたポイントをお教えした。 ところが、あっしもあいあんさんも記憶がはっきしせず、行ってみないとわからないような場所であるためいまいち上手く説明が出来ず、 爆発栄螺さんは辿り着くことが出来なかった。

辿り着けなかったという報告を頂き、また、今年は虫の発生が例年より早いということがあり、 「ミヤマにしろルリボシにしろ、ある程度の数を採るなら今週中しかありませぬよ。特にルリボシは」と言ったところ、 「だすよねぇ。なんとかするっす」と爆発栄螺さん。 そして7月20日に「土日も出勤で明日しか休みがとれないっすぅ。明日行けまへん?」との連絡が入る。 爆発栄螺さんの頼みとあっちゃー仕方ねぇ、翌21日に予定していた仕事を23日にずらしてもらい、 深夜になってから「明日、OKになりました」と連絡を入れる。茨城にミヤマ採集に行く選択肢もあったのだが、 特にミヤマで名の知れた爆発栄螺さんではあるが、迷わずルリボシ採集を選択された。 こうして、あっしにとっては3年振りの韮崎での採集が、奇しくも3年前と同し7月21日決行となった。

あいあんさんにも声をかけようかとも思ったのだが、17〜18日に行なわれた福島県伊南村での灯火採集イベントに行かれて疲れているかもしれないこと、 場所が甲府盆地なだけに酷暑が予想されること、あましにも急であることなどから、連絡をしなかった。それがいけなかったのか、 この時には後に起こる、恐ろしくはないが奇妙な偶然を知る由もなかった。←ちょいとサスペンスっぽく書いてみたりなんかして、、、

明けて21日、午前7時に爆発栄螺邸にて待ち合わせ、爆発インプレッサにて韮崎を目指す。 平日の朝7時だというのに、既に都内は渋滞が始まっていた。首都圏を抜けるのは、大変。 この日あっしは、前日に花粉アレルギー症状が出てしまい、2時間も寝ていなかった。 花粉アレルギー症状が出てしまった原因は、そのまた前日の夜、マスクをせずに藪漕ぎで採集を行なったためだ。 藪漕ぎで採集を行なう際にはマスクをすることが多いのだが、忘れてしまった。

韮崎に到着したのは10時前くらいだったと思う。そしてとにかく、ルリボシが沢山集まるポイントに辿り着くことを第一目標とし、 記憶を頼りに走り回った。思っていた以上の時間を食ってしまったが、ポイントに到着することが出来た。良かったぁ...

ルリボシが多く飛来するのは12時〜14時頃の気温が高い時間帯であることは、前回の採集時になんとなくわかっていた。 実際、到着した時には姿を見掛けなかった。それでお昼までの間、爆発栄螺さんが数日前に訪れた時に目星を付けた良さげな台場クヌギを数ヶ所案内して頂き、 カブトムシやカナブンなどを観察&採集していた。

左がアオカナブン、右がカナブン

左がアオカナブン、右がカナブン
ここ一帯のカナブンは青っぽい個体が比較的多く、アオカナブンは赤っぽい個体は殆ど見なかった


時間をみて、ルリボシ飛来ポイントへと戻る。んが、ルリボシの姿はない。

しばらくすると、辺りを散策していた爆発栄螺さんがニコニコしながら小走りに戻って来た。 「居たっす!採ったっす!初採集っす!嬉しっすぅ」と大喜びされていた。それまで知らなかったのだが、 爆発栄螺さんはルリボシの生体や標本を送ってもらったことはあったそうなのだが、ご自身で採集されたことがなかったのだそうだ。 自身での採集、格別なものがありますねい。 それから1時間くらいの間、あっしが2頭、爆発栄螺さんが1頭採集し、計4頭となった。 あましにも少な過ぎる飛来数と暑さで気合が入らない。後でわかったのだが、この日の韮崎の最高気温は38.0℃と、 この日までの今年最高を記録していた。あちかったもんなぁ、、、

どうしようか迷ったのだが13時30分頃、あいあんさんにケータイメールで韮崎にルリボシ採集をしに来ていることを連絡しておいた。 「まだルリボシ3桁ならず!今んとこ4匹」と、、、

その頃、このポイントとなっている材置き場の所有者ご夫妻が来られた。 お年は伺わなかったが、70歳台後半か、ひょっとすっと80歳を超えていらっしゃるかもしれない。まだバリバリの現役である。 そしてこのご夫妻から、色々なお話を伺った。

ここに置いてある材は焼き物を作る方々の注文で集め、販売なさっているそうで、千葉県と何処だか忘れてしまったが、 とにかく遠方まで運んでおられるそうだ。凄。 昆虫採集者が多くなり、休日ともなれば一日に4〜5組は来ること、そして何処へ行っても聞く採集者の無知ぶりとマナーの悪さも話されていた。 椎茸栽培もなされているそうなのだが、椎茸を採って行かれてしまうのは、また生えてくるし、お裾分けと考えられているそうなのだが(人間が出来てます)、 材自体を割られたり樹皮を剥がされたりすることがあり、そうなるともう、椎茸が生えて来なくなってしまうので困ると仰っていた。 それと「椎茸が生えるような栄養豊富な材には、まだクワガタの幼虫は入らないのにねぇ」とも仰られていた。 経験からなのであろうが、下手な採集者よか余程豊富な知識をお持ちだ。 他にも某テレビ局の無茶苦茶且つ無知な取材要求を断られたお話も伺った。

ルリボシに関しては、やはし今年は例年よか発生が早かったらしく、7月10日頃、掃き集めるほどの死体があったそうだ。 「暑さにやられたのかねぇ」とおばあさん。

年上の方に対し失礼かもしれないが、このおばあさん、顔も雰囲気も声もしゃべり方も、とてもかわいらしかった。 良い歳の重ね方をされたのだな、と思った。それで、「写真を撮らせて下さい」と言ったのだが、返事がない。 そこにおじいさんが「しわくちゃな顔を撮ってくれると言っているんだから顔を上げろ」と仰ってくれたのだが、 「写真、好きじゃないんだよ」とのお言葉。大丈夫、魂までは抜かないから、、、

恥ずかしがる、おばあさん

素敵だすってばさ


恥ずかしがらない、、、おじいさん

カメラを向けたらポーズまでとってくれた。いけてまする


お二方とも、あんま無理せず、お元気で居て頂きたいと願う。

お二人を見ていて、やっぱ基本的に人は動いていないとダメだな、と改めて思った。 言うまでもないが「基本的に」というのは、動いてはいけない人も居れば、動いてはいけない時もあるということだ。

爆発栄螺さんとあっしは採集(ルッキング)、ご夫妻はお仕事をしながら、一時間以上も会話をしてしまった。 その間、ルリボシはと言うと、1頭を追加したのみだった。二人併せて3♂2♀で計五頭...

この場を離れ、再び台場クヌギ巡りをしていると、突然の雨。 通り雨だとは思ったのだが、帰路に着くことにした。

韮崎インター付近まで戻ったところで、あいあんさんから「(ルリボシは)もう終わりだよ。来年だね」とメールが入る。 「(その後ルリボシ、)一頭追加で計五頭、、、(←実際は違う変換で送信。わかる人にはわかる)」と返信をする。 すると速攻で「(^^;(^^;(^^;」と返信が、、、

本当は、このまま帰宅する予定だったのだが、急遽予定変更!山梨県大月市の奥多摩に近い所で灯火を張ることにした。 この時期、爆発インプレッサには何時でも灯火を張れるようにセットが積みっぱなしにされているのである。さすがだ。 あっしは途中から記憶がなくなり(←寝たとも言う)、気が付くと(←起こされたとも言う)目の前は、山。 標高約600メートル、「ミヤマは飛んで来なさそうな雰囲気」と、率直に印象を述べてしまった。

そして灯火開始!思っていたよか気温が下がってしまい、月齢は良いのに虫の飛びが悪い。 そんな中、ポツリポツリとアカアシが飛来する。んが、最初の内だけであった。 翌日は仕事があるということもあり、「20:40までにクワガタが飛んで来なかったら撤収するっす」と爆発栄螺さん。 そして20:40に撤収、、、

飛来したクワガタはアカアシのみで、2♂3♀の計五頭。なんとも計.五頭、、、な日であった。 あいあんさんにお声掛けしなかった恨みか、、、(爆)

帰り道、大月インターに乗ってから間もなく記憶がなくなり(←寝たとも言う)、気が付くと(←起こされたとも言う)目の前は、談合坂SA。 それから記憶をなくすことはなく、無事に帰宅する。

帰宅してからデジカメで撮影した画像を確認すると、人と風景と爆発インプレッサだけしか撮影していなかった。 なんとも間抜けなことに、虫を撮影していなかったのだ。っちゅーこって、せっかくだから数日後、自宅にてルリボシを撮影。 うしろからまえから、どうぞ♪

触角のぼんぼりがお洒落

触角のぼんぼりがお洒落


生きている時のこの鮮やかな色が残せればなぁ...

生きている時のこの鮮やかな色が残せればなぁ...


ご存知の通りルリボシカミキリは、日本に800種以上と言われているカミキリムシの中でも、とても綺麗なカミキリのひとつ。 水色に薄い緑色が混じったような色が綺麗だ。標本にすると色がくすんでしまい、生きている時と同し色は残念ながら残せない。 特に薄い緑色が消えてしまう。残す方法をご存知の方っていらっしゃるのかな。 また、他のカミキリでもそうらしいが(あっしは知らない)、まるでネコのように前脚を舐めて(?)は触角を、 中脚と後脚を使っては翅鞘を清掃(?)するような仕草(?)は、自らの綺麗さをわかっているかのように思えてしまう。

あー、なんかひっさしぶりに文章を書かされた書いたぜぇ。まともな文章になっているか、ちょいと不安...

最後になりましたが、爆発栄螺さん、ありがとうござました&いっつもすみませぬ。
あいあんさん、今度はご一緒致しましょう。



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